片側顔面痙攣と私と時々猫

片側顔面痙攣発症7年目の手術レポート

入院6日目 〜術後1日目〜

だいぶ体力が戻って来たので、さかのぼって記録していきたいと思います。

 

書いている今日は、術後13日目になります。

 

 

術後の昨晩から朝まで、本当に何度看護師さんにお世話をかけたか、、、

結局は一睡も出来ず時間も分からず、ただ天井を見つめ、

あらゆる痛みに我慢するしか無い、、、この辺りから背中や腰の痛みも出てきます。

 

「おはようございます!カーテン開けますよ!!」

主治医のF先生、いつもの、早朝出勤スタイルでのご様子伺いでした。

 

「調子はどうですか??はい、じゃあ目を軽く閉じてー、ギュッと閉じてー、パッと開いて!!うんうん、今度は口をイーーー、すぼめてウーーーー。うんうん、痙攣出てないね!!」

 

先生の目視としては、手術は上手くいってる様です。

 

私はこの時まで、術後の余りの苦痛の為、そもそもの目的をすっかり忘れていました。

 

痙攣が止まっているかどうかw

 

これから手術を考えてる方は、知りたいのはここですよね!?

 

そう、痙攣止まってます!!

 

私の場合、顔面の痙攣と引きつりはもちろんのこと、耳の中の痙攣がかなり深刻な状況でした。

 

瞬きをするだけで、耳の奥がゴソゴソ。

深い水の中に潜って耳の奥がボーーーワワンとなってるような、高い山に登ってツーーンってなってる時のような。

 

顔面に関しては、F先生が毎週土曜日だけいらっしゃる東京のTクリニックで、別のボトックス外来のO先生にボトックスを打ってもらっていて、それが物凄くすご技!それ以来かなり気にならないようになってましたが、耳だけはどうしようもなく、一番のストレスは、顔の歪みや顔の歪みよりも、耳の雑音でした。

本当に本当に疲れてました。

 

夜眠る時、静まり返っても聞こえるのは、自分が目や顔に軽く力を入れただけで起こる嫌な雑音。

 

そう!

これが鳴ってない!!

 

そして、顔周辺の痙攣も起きてません。

 

 

術後日が経つと手術中やその前の痙攣が遅れてやって来たり、身体が覚えてるものが反応したりも有るようなので、まだ今後は分かりませんが。

 

 

朝になったからと言って、何か楽になったりはこの時点では特に有りませんが、午前の先生方の訪問で、自発呼吸の安定や意識の確認も出来たので、ここでマスクとフロートロン(足の血栓予防のマッサージ器)と、利き手の指先の心電図モニター(ベッド横用)が外されました!

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マスクが全くフィットせず、不快だったので、この3つ外れただけで、開放感は半端なかったです!!

マスク外して看護師さんにお願いして顔を拭いてもらいました。

 

体調的には、

 

まず口の渇きが1番。まだ給水出来ません。

午前中に地元に戻る姉が、朝イチで来てくれました!

やっぱりこういう時の身内は安心します!

 

帰る前、姉の本職の口腔ケアをしてくれて、かなりの!!!!リフレッシュです。

 

これ、本当に大切な事だと思います。

いつか、自分が誰かのお世話をする立場になった時は、勉強してちゃんとケアしてあげたいと思いました。

身体拭くこと、寝疲れした身体のマッサージと同レベルで、コレは大事なケアだと実感しました。

 

それから後頭部の創部は鈍痛程度。

点滴にずっと痛み止めが定期的に入っているので、いわゆる切り傷的な痛みは全く有りません。

辛いのは、包帯の締め付けと、髪をブロッキングしたゴムの結び目四箇所の引っ張りと当たりの痛み。

 

とにかくこれが最悪。

頭全体がガンガンガンガンガン。

創部周辺は、ドクンドクンドクン。

そんな感じです。

 

 

用意するように言われたゴムで、持参したものですが、知ってたらもっと細いゴムにしたのになぁ。

身体の重さ、発声する力の出なさはまだまだ有ります。

一睡も出来てない事から、体力はかなり落ちてます。

 

受け答え、会話が辛い。

 

うっすら吐き気も有りますが、寝ている分には問題無し。

 

時々、ブーーーーン、ブーーーーンと低音の振動が左耳から聞こえます。これは、手術中に聴覚神経のモニタリングをする為私が聴かされていた爆音の名残りだそうで、そのうち消えるとの事。

 

 

この時点でも、まだただ天井を眺めるだけで、時間が過ぎるのを待つのみ、そして全然過ぎていかない、、、そんな心境です。

 

本当に元気になるのか、痙攣とかどうでもいいから、コレ全部外してくれ!!

治らなくていいから、包帯も外して!!

 

と、声にならない叫びでいっぱいです。

 

そんな中、若手の男性先生と研修医の先生がいらして、術後初の創部消毒です。

1度包帯とガーゼを外し、若手の男性先生が傷を確認。炎症無し、髄液漏れも無しと確認し、研修医の先生が消毒し、包帯巻き直しです。

消毒の為傷口を触られても、全く!!痛み無し。痛み止め凄い。

一瞬でも包帯外して貰えた時の開放感は、つかの間。またギューーーーー!

「コレが痛くて!!」

「術後は仕方ありません」

 

若手男性医師らしいシンプルなお応え。

 

 

その後午前中は、術後CT検査とレントゲン。

 

10階の病棟から本館地下1階の検査室へはベッドごと移動なんですが、この移動がキツくて吐いてしまう人が多いらしく、気の利く昨夜からの看護師さんが吐き気止めの追加をしてくれました。

帰省するの姉に見送られながら、ベッドごとガタガタガタガタ、、、

 

確かに振動もやばいけど、天井が動いているのを見ていると酔うので、目をつぶってやり過ごしました。

レントゲンでは、ベッドに寝たまま。背中に板を入れる時だけ、少し身体を持ち上げられますが、我慢出来る範囲で。

 

CTは、男性二人がかりで、移動の為のシートを背中に敷かれ、シートごとよっこらせ!!と移動させて貰います。

これが結構辛かった。

吐き気止め入ってなかったら、この辺りで限界だったかもしれません。

 

検査時間は、それぞれ数分で終わりです。

 

また部屋に戻り安静。

点滴は引き続きずっと続いてます。

 

身体を拭いて貰い、カテーテルのクリーニング。

暑い蒸しタオルが気持ち良かった!!!

サイコー!

 

お昼、看護師さん付き添いの元、お水にチャレンジです。

ベッド30度に起こし、身体を支えて貰いながらストローをセットしたお水を口に含みます。

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ここでコレが!とうとう出番です。

凄い便利〜、買って貰って良かった〜。

 

というのも、余りにも喉が乾き過ぎ、最初ほんの数滴の水分でも、誤嚥して気管に入りそうな感じて怖かったので、ストローからが正解。

しかも、ペットボトルに刺さりっぱなしの構造なので、管理も楽チン。

 

とりあえずここは、おっかなびっくりで喉を湿らす程度で終わりました。

 

その後ベッドは、10度くらいまでアップ化になりました。

 

水分取れただけでも、また1つのステージをクリアした気分です。

まるでゲーム感覚のように。

 

13時からは面会。

 

母が敷地内の宿泊施設から来てくれました!

創部が頭だけに、来てくれて会話しようにも顔を向けられない。

仰向けで独り言のように話す感じです。

 

時々横向に体勢を変えますが、まだ補助が欲しい感じの身体の重さです。

 

この辺りから、寝続けた為の背中、腰の痛み、足のダルさがキツくなってきました。

 

母の顔を見た瞬間、マッサージプリーズ!!

と思い、看護師さんには頼まない分を年老いた母親にさせる横暴ぶり。

あとは、病院から前もって大判のロキソニンテープが処方されていたので、それも貼って貰いました。

 

あとは、足のリンパマッサージ。

 

もし今後の日本の看護業界で、ここまでが通常ケアに入っていたら、術後の緩和はものすごい進化だと思います。

 

人手不足なのが目に見えてるので言えませんが、システム的に可能になる日が訪れて欲しいものです。

 

オプション料金取っていいから、看護師さんとは別の術後マッサージ専門の方とか入れて欲しい。

 

会話はおぼつかなくても、母が来て時間の過ぎるスピードが少しでも早く感じられる午後は何とかかんとかやり過ごせました。

 

仕事を終えた旦那さんも登場!

3/14のホワイトデーにとチョコレート持参して。

 

ちょうどその頃には食欲も戻ってそうなので楽しみで有ります。

 

この辺りから、創部の後頭部を守ろうとする余り、首にかなり力が入り肩こりがキツくなり、今度は旦那に湿布貼って貰いました。

 

本当にあまやかされてる。

 

とはいえ、今回の治療は、自分の中ではとにかく我慢をしない事を決めていました。

迷惑はなるべく掛けたくはないけど、痛みや苦痛には我慢せず、緩和する方法がある時は身近な人や専門の方に遠慮なく申し出ようと。

 

そうこうしているうちに、術後初の夕飯。

60度のベッドアップです。

 

昼にお水が飲めた事で夕飯が取れる事になります。

 

目の前に出てきたのは、どんぶり並々のお粥と卵やき??のような固形のおかずや、マンゴーか桃?のデザートとか。お粥以外は通常メニューのようです。

あまり覚えてないんですが。

 

自他共に認めるものすごい食いしん坊の私が、人生で初めて

「ウッ!!」

見ただけで吐き気を感じました。

 

お皿に乗っているのが、お粥と梅干しだけならビジュアル的には耐えられたのにー。

 

本当にお粥3口くらいしか食べられませんでした。

しかもゆっくり、精一杯の。

残念ながら梅干し口に含むまでも頑張れませんでした。

 

 

点滴交換や、血圧測定、ご飯の時間は小さいイベントだけど、寝たきりの時には嬉しい気分転換。

 

 

しかしながら、旦那も母も帰宅後、また長い長い夜がやってきます。

 

湿布を貼ってもらったお陰で、背中の痛みはかなり軽減しましたが、横になろうが目をつぶろうが、頭はずっと覚醒したままです。

 

術後目覚めて24時間経ちましたが、まだ一睡も出来てません。

 

しかもこの日は、とにかく暑くて暑くて。

身体の熱と外気の熱がぶつかり合う感じ。

こもった熱が出て行く場所が無い感じ。

 

動けないムズムズ感。

 

弾性ストッキング脱ぎたいけど、まだ駄目。

 

目を閉じても開けても変わらない景色と状況。

他の部屋から聞こえて来る点滴終了のアラームは鳴り止まず、そこに重なるように自分のアラームも鳴り続ける。

 

ナースコールを鳴らしても、夜間は人手不足でなかなか看護師さんは間に合わず。

同室の寝たきりのおばあちゃんの唸り声。

 

「もう駄目だーーーー!!!!助けて!

こんな手術、やっぱりやらなきゃ良かった!

くるしい、なんで自分でこんな事やるって決めちゃったんだろう。

頭おかしくなる!!!!狂いそう。

全部外してくれ!!!」

 

て、叫ぶ手前に、手術直前に見た光景が脳裏に浮かんだ。

 

オペ室から拘束されて発狂してた同世代の女性。

 

私もおかしな行動取ったら、多分、一部は拘束されるだろうと思った。

 

大げさだけど、でもどう考えても術後のこの時期はまだまだ心電図モニターも点滴も外すわけにはいかないのだから、病院は仕方なく1部拘束くらいせざるを得ないだろうと思う。

 

実際に、私の爺さんも点滴抜いて騒いで拘束されてたと聞いてる。

 

けど、拘束とか動けないとかって本当に余計頭おかしくさせられるということが分かった。

 

手術って、大変。

 

昔怪我で入院した時もそれなりだったけど、こんな地獄は見なかったなー。

 

 

 

異変が起きたのは、消灯しても眠れずしばらく経った頃だったと思います。

 

頭が完全に沸騰しきり、理性が勝って諦めモードになって落ち着き始めた頃、、、

 

薄明かりの天井にかかる影がなんか変。

 

 

消灯後も通路の灯りで結構明るいので、天井にかかるカーテンレールなどは良く見える感じ。

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このレールから真っ暗の毛が!!!

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頭はクリアなつもり。

 

けど、何度目を見て開け閉めして見直しても、毛が生えてるんです!ww

 

開けるたび、少し毛の向きや長さも違ったり

伸びた毛が

「ッパーーーン!ヒラヒラヒラヒラ!!!」

と舞い落ちてきたり。

 

よーく観察すると、レールだけでなく、影の濃い場所にはほとんど毛が。

 

私の指表面や、指先に付けてる酸素モニターにも!!!

 

 

参りました。

幻覚だなーって、すぐに分かりました。

 

不快感は不思議と無く、ただ思ったのは、これは一生続いたら困るよなーて事。

 

その後何時間もこの面白い現象を観察していると、だんだん寒くなり、術後初めて布団を着たいと思いました。

 

肩まで布団を上げつつ、だんだん心臓がドキドキ。動悸が、、、。

不安になりナースコール。

 

心電図と血圧の確認。

 

術後、血圧は150〜から140。

 

この時もそれを上回ってもおらず、心拍は少し早いけど問題無い範囲。

それを聞いて安心したのか、そこからすっと眠りに入りました。

 

布団で温まり始めた身体が心地よく。

 

術後2日弱で、短時間でしたが、ようやく初めて深く深く眠る事が出来ました。